Mathphilia
Palm handheld 上で動作する 100マス計算

Version 1.00


目 次


概 要

Mathphilia ── これは「 算術愛好癖 」という意味の造語です ── は、いわゆる 100マス計算をするアプリケーションです。足し算、引き算、掛け算の他に、ビットレベルの論理積、論理和、排他的論理和もできる、ちょっと大人(?)の 100マス計算です。

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インストール

Mathphilia.prc は普通にインストールしてください(メモリカード上でも多分動作します)。MathphiliaPalm OS 3.5 以降をサポートしますが、それ以前のバージョンの Palm OS でも動作するかもしれません。このドキュメントではカラーデバイスでの画面サンプルを掲載していますが、モノクロデバイスでは Palm Vx で問題なく動作することが確認されています。

 

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使い方と画面説明

起動時画面

Mathphilia を起動すると、右のような画面が表示されます。4つのボタンのいずれかをタップすることによって以下のそれぞれの画面に移動します。

Training Mode ・・・ トレーニングモードを開始します。まず演算子選択画面で演算の種類を選択し、その後メイン画面を表示します。
Trial Mode ・・・ トライアルモードを開始します。まず演算子選択画面で演算の種類を選択し、その後メイン画面を表示します。
Preferences ・・・ 設定画面を表示します。
Score Board ・・・ スコアボード画面を表示します。

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演算子選択画面

起動時画面でトレーニングモードかトライアルモードを選択すると、最初にこの画面が表示されます。この画面では、これから行う計算の種類を選択します。以下の6つの演算から選択します。

Plus ・・・ 足し算をします。10 進数モードです。
Minus ・・・ 引き算をします。10 進数モードです。
Multiply ・・・ 掛け算をします。10 進数モードです。
Bitwise And ・・・ ビットレベルの論理積を計算します。16 進数モードです。
Bitwise Or ・・・ ビットレベルの論理和を計算します。16 進数モードです。
Bitwise Exor ・・・ ビットレベルの排他的論理和を計算します。16 進数モードです。

演算の種類をリストから選択し、OK ボタンをタップすればメイン画面が表示され、開始となります。Cancel ボタンをタップすれば起動時画面に戻ります。

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メイン画面

ゲームが始まると、右のような画面になります。画面の大半を占めているのが 100マス計算のシートで、その下に計算フィールドや経過時間を表示するエリアなどが並んでいます。

100マスシート上には、赤く表示されているカーソルがあります。画面下部中央にある入力フィールドに入力した数値はその時点でのカーソル位置に入力されます。入力を確定するには、Enter を入力するか、別のセルに移動します。カーソルの移動方法については、「 カーソル移動について 」を参照してください。

入力フィールドでは、-, 0 〜 9、A 〜 F 以外の文字は入力できないようになっています。入力文字修正のためのバックスペース、カーソル移動のための Enter 入力は可能です。また、16 進数モードのための A 〜 F については、小文字で a 〜 f を入力しても自動的に大文字に変換されます。

画面の左下にある小さなボタンは、Enter 入力によるカーソル移動の方向を変更するためのものです。詳細については、「 Enter 入力によるカーソル移動 」を参照してください。

画面の右下にある細長いボタンはタイマーです。トレーニングモードでは開始からの経過時間が表示されます。トライアルモードでは残り時間が表示され、表示が 00:00 になると時間切れとなり、自動的に採点が始まります。いずれのモードでも、このタイマーボタンをタップすることですぐに採点を始めることができます。1度タップすると表示が1秒間だけ「 Finish ? 」に変わります。この1秒間の間にもう一度ボタンをタップすると終了を確定できます。終了すると採点が始まります。採点では全てのマスがチェックされ、計算ミスをしたマスは反転表示されます。採点結果は入力フィールドに表示され、トレーニングモードでハイスコアを記録できればスコアボードが表示されます。


 

● カーソル移動について

カーソルを移動させる方法はいくつもあります。以下に説明します。

 

1, 移動先のセルをタップする方法

スタイラスを使用して操作する場合、もっとも簡単な移動方法は、移動先のセルをタップすることです。

 

2, Graffiti による移動

Graffiti では、Enter を入力することでカーソルが「次の位置」に移動します。「次の位置」の意味については、「 Enter 入力によるカーソル移動 」を参照してください。

 

3, キーボードによる移動

外部接続のキーボードなどを使用している場合、キーボードのカーソルキーでも移動させることができます。シートの端では境界を越えて反対側に移動することもできます。

キーボードでも、Enter キーを押下することでカーソルが「次の位置」に移動します。「次の位置」の意味については、「 Enter 入力によるカーソル移動 」を参照してください。

 

4, ハードボタンによる移動

設定画面でハードボタンの使用を有効にしている場合、ハードボタンを使用してカーソルを移動させることもできます。シートの端では境界を越えて反対側に移動することもできます。Treo650Tungsten C など、キーボード搭載モデルで使用することになるでしょう。実際にどのボタンを押すことでどの方向にカーソルが移動するかは設定によって異なります。

 

※ Enter 入力によるカーソル移動

Enter 入力によるカーソル移動は少々複雑です。まず、Enter 入力によってカーソルが移動する方向は、画面左下にある小さなボタンの表示によって変わります。>と表示されている場合右方向に、Vと表示されている場合下方向に移動します。ゲーム開始時点でどちらになるかは、設定画面で設定することが可能です。また、ゲーム中でも、そのボタンをタップするか、Graffiti( またはキーボード )でスペースを入力することで移動方向を変更することが可能です。

Enter 入力によるカーソル移動だけですべてのセルを移動するため、右端から左端に移動する場合は1行下へ、下端から上端に移動する場合は一列右へカーソルが移動するようになっています。また、画面右下のセルで Enter 入力をすると左上のセルに移動します。実際に試し、どのような動きをするか確認してみてください。

 

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設定画面

トップ画面から Preference を選択するとこの画面が表示されます。

Enter key direction は、メイン画面で Enter 入力を行った時のカーソルの「 デフォルトの移動方向 」を指定します。Right を選択すると右方向に、Down を選択すると下方向にそれぞれ移動します。この設定はデフォルトの設定です。メイン画面で左下のボタンをタップするか、スペース入力をすれば移動方向を切り替えることができます。

Limit time in trial mode は、トライアルモードにおける制限時間を秒単位で設定します。Mathphilia ではハイスコアのランキングは点数優先で行われるため、制限時間は目安にすぎません。お好みに応じて適度な緊張感を感じることができる時間に設定してください。起動時には 300秒に設定されています。

Use hard-buttons というチェックボックスをチェックすると、ハードウェアのアプリケーションボタンなどを操作に使用することができます。キーボード付きデバイスで Mathphilia を使う場合に、スタイラスを使用せずにカーソルキーを移動することができます。チェックボックスの下の type でハードウェアボタンの構成を選ぶと、画面下部のサンプル画像が変化します。画像内の矢印はカーソル移動のためのボタンで、と書かれたボタンはメイン画面でタイマー表示ボタンをタップした時( つまり Finish 操作 )と同じ動作をします。

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スコアボード画面

トップ画面でメニューから Score Board を選択するとこの画面が表示されます。また、トライアルモードでハイスコアを記録した場合もこの画面が表示されます。

この画面には、演算の種類別にハイスコアの記録が上位7位まで記録されています。画面上部の、演算子が並んでいるボタンをタップすると、その演算子のハイスコアを表示することができます。

Time はゲーム開始から終了までの所要時間です。ハイスコアの順序付けは点数優先で、同じ点数であれば所要時間が短い方が上位に順序付けられます。これは、「 早く終わらせても計算間違いをしては意味がない 」という考え方から来るものです。

Reset ボタンをタップすると現在表示されている演算子のハイスコア記録をクリアします。

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モードに関する説明

ここでは、Mathphilia の2種類のモードについて説明します。

 

● トレーニングモードとトライアルモード

トレーニングモードは練習用のモードです。タイマー表示は 00:00 から増加し、時間制限はありません。このモードでの成績はスコアボードには反映されません。

トライアルモードは制限時間つきの実戦(?)モードです。タイマー表示は指定された制限時間表示から減少し、残り時間がなくなるとタイムアップとなり強制的に採点が始まります。このモードでは、ハイスコアを記録できればスコアボードにその成績が反映されます。

 

● 10 進数モードと 16 進数モード

10 進数モードは足し算・引き算・掛け算で使用されるモードです。行・列ともに 0 〜 910 種類の数字がランダムに並べられ、普通に計算を行います。

16 進数モードはビットレベルの論理積・論理和・排他的論理和で使用されるモードです。行・列ともに 0 〜 9, A 〜 F16 種類の数値から 10 種類がランダムに並べられ、計算を行います。16 進数モードでは計算結果もまた 16 進数で記述せねばなりません。

 

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著作権・配布条件などについて

Mathphilia はフリーソフトウェアです。「 無保証 」にて 「 現状のまま 」 提供されます。バグレポートや機能追加の要望はもちろん歓迎しますが、対応できるかどうかは保証できません。また、Mathphilia を使った( または使えなかった )ことによる損害に対しては作者はいかなる形での補償も致しません。再配布は自由に行ってくださって結構ですが、パッケージの内容を改変する場合はかならず作者に許可を取り、どのような改変が加えられたかを再配布パッケージに明記してください。作者への連絡はこちらまでお願いします。

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更新履歴

最新版のチェックはこちらへどうぞ。

2005/11/30 Version 1.00 をリリース

 

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あとがき

Version 1.00 のあとがき

毎度のこと、世事に疎い陰郎のことですから、PalmwareInfotaichi さんが 「 100マス計算の Palmware が欲しい 」 と書いているのを見かけたときも、100マス計算がどんなものか、まったくわかっちゃいなかったのです( 今でもよくわかっていないかもしれませんが )。世の中では脳力がなんだとか脳活性がどうだとかで話題になっているらしいですが、陰郎の前作 RPNToGo もそんな文脈で理解されているのかなぁ、と思うようになったのも最近のことでございました。

で、まぁ紆余曲折あって( どんな経緯かは覚えてませんが )、それじゃフリーウェアで使いやすい 100マス計算を作ろうじゃありませんかと。しかし、陰郎が作るんですから陰郎仕様ですよ...というわけでタイトルは 「 算術愛好癖 」 となり、ビット演算が追加されたわけです。まぁそれも当然といえば当然のなりゆきというものでしょうか。結果論を言えば、RPNToGo よりも先にこの作品をリリースしておけばビット演算のいい布石になったかもしれません。ビット演算を遊んでくれる方がいるのかどうかはちと疑問ではございますが。

今回の闘いは、「 本来紙の上でやる計算を Palm の画面上でやる際、そのストレスをどれだけ軽減できるか 」というところにあったと思います。Enter 入力でのカーソル移動やスペース入力での移動方向設定などが代表的なものですが、その他の細かい話もせっかくですから紹介しておきましょう。たとえば、すでに解答を入力済みのセルにカーソルを合わせると、入力フィールド上の解答が文字列選択された状態になります。こうすることで、バックスペースを入力したりしなくても、いきなり文字入力をすれば既存の解答を反故にして新しい解答を入力できます。また、そのまま Enter 入力をすればそのセルを「 素通り 」することもできます。こういった細部が「 使いやすさ 」につながっているかどうか...ま、それは皆さんの判断にお任せしたいと思います。それではまた、次回作でお会いしましょう。

 

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